あなたは「ハグマ」の二つの顔を知っていますか?
エンシュウハグマ
秋風が吹き始めると、野山にひっそりと咲く花があります。それは「ハグマ」の名を持つ、小さくも美しい花。
中でも、上品な薄紫色の花を咲かせる「エンシュウハグマ」。その名の通り、遠州 – 現在の静岡県西部 – を中心にひっそりと息づいています。ところが近年、この美しい花の姿を見かけることが少なくなってきました。
一方、白い可憐な花を咲かせる「キッコウハグマ」は、その名の由来となった亀甲模様の葉が特徴です。エンシュウハグマとは対照的に、全国各地で見ることができます。しかし、その小さく控えめな姿は、注意深く観察しなければ見落としてしまうかもしれません。
同じ「ハグマ」の名を持ちながら、異なる運命をたどる二つの花。一体何が、彼らの未来を分けているのでしょうか?
今回は、そんな謎多き「エンシュウハグマ」と「キッコウハグマ」の魅力に迫ります。
エンシュウハグマ:幻の花を探す旅に出かけよう
エンシュウハグマは、限られた地域でしか見られない貴重な花です。
エンシュウハグマ(遠州白熊)
キク科、モミジハグマ属の多年草
葉は茎の下部に輪状に固まって付いてます。
頭花は直径約1㎝(小さいです!)
花冠がねじれて風車のよう
風車は左回転で、キッコウハグマとは逆回転。
淡紅色を帯びた白色が美しい。
静岡県の西部に多いので「遠州」と付いてますが
愛知県東部にも居ます。
かつては静岡県西部を中心に多く見られましたが、環境の変化などにより、その数は減少しています。
エンシュウハグマに出会える場所は、今ではごくわずか。地域の人々の保護活動によって、かろうじてその姿をとどめています。
もし出会えたなら、それはまさに奇跡。その美しさに、きっと息を呑むことでしょう。
キッコウハグマ:足元に広がる小さな芸術
キッコウハグマ(亀甲白熊)
キク科モミジハグマ属
葉は茎の下部に5~10個程度、固まって互生し、長い葉柄がある。
やや光沢があり、5角形の葉形からキッコウの名が付けられている。
花は、3個の花がくっ付いて、一輪の花のように見える。
閉鎖花も多いので、なかなか咲いて居る時に出会えないお花でもある。
小さく控えめな花も、よく見ると可憐で美しく、葉とのコントラストも楽しめます。
エンシュウハグマとキッコウハグマ:二つの花が出会う時
エンシュウハグマとキッコウハグマは、同じ「ハグマ」の名を持ちながら、分布や花の色の違いなど、多くの点で対照的です。
この違いは、それぞれの生育環境や進化の歴史を反映していると考えられています。
エンシュウハグマは、限られた環境に適応して生き残ってきたため、分布が限定的になったと考えられています。
二つの花の姿を比較することで、自然界の多様性と、その奥深さを改めて実感することができます。
希少な美しさ:エンシュウハグマを守るために
エンシュウハグマは、貴重な植物です。
開発による減少など、様々な要因によって、その数は年々減少しています。
現在、地域住民や専門家による保護活動が行われていますが、私たち一人ひとりの意識が、未来へと繋がる鍵となります。
エンシュウハグマを守るために、まずはその現状を知ることから始めましょう。
詳しい場所は、
愛知県新城市中宇利岡「世界の桜の園」。
有料ではありませんが、協力金を入れる箱が設置されています。
地元の有志の方々により、下草刈りなどの手入れをされています。
キッコウハグマより、花が大きいです。
面白いのは、キッコウハグマと、エンシュウハグマのぐるぐるの回転方向が違うことです。
写真でも確認してみて下さい。
ハグマの世界へようこそ:あなたの周りにも咲いているかも?
キッコウハグマは、全国各地で見られる比較的身近な植物です。
僕は、岐阜県土岐市の「曽良山」へよく行きます。
10月下旬で、まだ寒くはない時期です。
曽木公園の近くですが、公園から歩くと15分ほど掛かりますが、集落の道が狭いので
歩いたり、自転車で移動します。
帰りに「バーデンパーク SOGI」で汗を流せるのも良い点です。
少し湿った場所が好みのようですので、秋のハイキングシーズン、足元にご注意を。
愛知県森林公園の有料(大人220円)の森の中にも居ます。
広いので、入口で地図をもらって行きましょう。
その他の場所では 見つけることができませんでした。
キッコウハグマは凄く小さい花なので、ゆっくり探さないと見つけられません。
ひっそりと咲くキッコウハグマに出会えるかもしれません。
この記事をきっかけに、身近な自然に目を向け、ハグマの魅力を発見してみてください。
まとめ
この記事を読んで、エンシュウハグマとキッコウハグマについてもっと知りたくなりましたか?
これらの美しい花を守るために、私たちにできることはたくさんあります。まずは、自然環境保護への意識を高め、これらの花々が生育できる環境を守っていくことが大切です。そして、自然の中に足を踏み入れ、実際にその姿を観察することで、より深い理解と愛情を育むことができます。
さあ、あなたもハグマの世界を探求してみませんか?