お多福豆は、やわらかくて甘いのが特長の豆料理です。
見た目は空豆に似ていますが、実は空豆とはちょっと違う豆なんです。 この記事では、お多福豆がどんな豆か、そしてその黒い色がどうしてつくのかをわかりやすく説明していきます。
お多福豆と空豆、どう違う?
お多福豆と空豆は似ているように見えますが、実はお多福豆は加工された空豆なんです。
空豆は鮮やかな緑色が特徴ですが、お多福豆は黒くてユニークな見た目があります。
また、「おたふく豆」とも呼ばれることがあって、名前の通り福を呼ぶと言われていますよ。
お多福豆が黒い理由は、乾燥させた空豆を水で戻し、皮付きのまま黒糖で甘く煮るからです。
煮ている間に酸化して徐々に黒くなるんです。
黒豆を煮るときに使う鉄釘のように、鉄分を加えるともっと黒くなります。
この変わる過程が見ていても楽しいですし、料理の面白さの一つですね。
ソラマメの基本情報
そら豆は、マメ科ソラマメ属の一年草
原産地は西南アジアや地中海沿岸と言われています。
日本へは、弥生時代に中国から伝わったとされ、古くから親しまれてきました。
世界最古の農産物の1つとも言われています。
そら豆の名前の由来は、空に向かって実がなることから「空豆」
またはサヤが空に向かって伸びることから「蚕豆」と書くようになったという説が有力です。
旬の時期は4月〜6月頃で、この時期のそら豆は特に甘みが強く、ホクホクとした食感が楽しめます。
栄養価も高く、食物繊維などが豊富に含まれています。
特に、ビタミンB1は糖質の代謝を助け、疲れたときに元気をくれます。
お多福豆の煮方
お多福豆は、乾燥した大粒のそら豆を甘く煮た日本の伝統的な料理です。
以下に、お多福豆の基本的な煮方を紹介します。
材料
乾燥そら豆:300g
砂糖:150g(お好みで調整可)
塩:小さじ1
重曹:小さじ1
水:適量
作り方
豆の準備
そら豆を水で洗い、たっぷりの水に重曹を溶かして一晩浸けておきます。
これにより、豆が柔らかくなります。
煮る
浸けた豆を鍋に移し、豆がひたひたになる程度の水を加え、中火で煮立たせます。
沸騰したら弱火にし、豆が柔らかくなるまで約1時間煮ます。
煮ている間にアクが出たら取り除きます。
味付け
豆が柔らかくなったら、砂糖と塩を加え、さらに中火で煮ます。
砂糖が溶けたら、弱火にして蓋をし、約30分から1時間煮続けます。
豆が煮崩れないように注意しながら、汁が少なくなるまで煮詰めます。
冷ます
火を止めたら、そのまま冷まし、味をなじませます。
冷めるまで触らない方が、豆が艶やかに仕上がります。
ポイント
煮る際は、豆がひたひたになるように水を加え、焦げ付かないように注意します。
煮上げる時に蓋を取って水分を飛ばすと、豆に艶が出ます。
この方法で作るお多福豆は、ほっくりとした食感と優しい甘みが特徴です。お好みで、煮た豆を餡にして和菓子に利用することもできます。
おせちで余ったお多福豆で作る!簡単アレンジレシピ
おせち料理で余ったお多福豆を使った簡単なアレンジレシピをいくつかご紹介します。
お多福豆はそのままでも美味しいですが、アレンジすることで新たな楽しみ方ができます。
お多福豆サラダ
材料:
お多福豆 1カップ
ミックスレタス 適量
トマト 1個
クルミ 適量
オリーブオイル 大さじ2
バルサミコ酢 大さじ1
塩、黒こしょう 少々
作り方:
ミックスレタスを洗い、水を切って手でちぎり、ボウルに入れます。
トマトを洗って乱切りにし、クルミを手で粗く砕きます。
レタス、トマト、お多福豆、クルミを混ぜ、オリーブオイルとバルサミコ酢で和えます。
塩と黒こしょうで味を整え、サラダ皿に盛り付けて完成です。
お多福豆の抹茶揚げ
材料:
お多福豆 7~8個
小麦粉 大さじ4
水 大さじ4
抹茶 小さじ1/4(お好みで)
塩 少々
作り方:
ボウルに小麦粉、抹茶、水を入れてよく混ぜます。
お多福豆に衣をよく絡め、180℃の油で表面がカラッとなるまで揚げます。
最後に塩を少々ふって完成です。揚げたてが特に美味しいです。
お多福豆の甘煮
材料:
お多福豆 300g
砂糖(ザラメ) 200g
塩 小さじ1
重曹 小さじ1
作り方:
鍋にお多福豆と豆の約3倍の水量、重曹を入れ、中火で加熱します。
沸騰後、蓋をして弱火にし、約3時間煮込みます。
煮終わったら鍋を放置し、半日蓋をしたまま冷まします。
お多福豆をざるに取り出し、水を切った後、鍋に戻します。ここに砂糖、塩、豆を覆うだけの水を加えます。
再び蓋をして弱火で3時間煮込み、完全に冷めたら蓋を外して水分を飛ばします。
これらのレシピは、おせち料理の残りを活用しつつ、日常の食卓に彩りを加えることができます。
お多福豆の独特な風味を楽しんでみてください。
まとめ
お多福豆は乾燥したそら豆を使って作る料理で、色々な色が楽しめて味もユニークです。
一度食べると、そのおいしさにもう止まらないかもしれませんね。
お正月のおせちで余ったお多福豆を使って、手軽に作れるレシピもありますよ。
日々の食事に少し変わった味を加えてみませんか?
お多福豆は健康にもいいので、これを使って新年を迎え、幸運を招き、素敵な年にしましょう。