ロングライフパンは、通常のパンよりも賞味期限の長いパンのことで、製造日から50日程度日持ちするパンです。
賞味期限を長持ちさせるための保存料は使用せず、製法、衛生的な工場、アルコールの蒸散剤で長持ちをさせています。
ロングライフパン作りにとって大切なことは、美味しさが長続きし安心して食べられることです。
乳酸菌を含む「パネトーネ種」という酵母を使用したり、長時間熟成させたりすることで、水分活性を低くして長期保存を実現しています。
非常時の備蓄食品としてだけでなく、日常の食卓にも最適な食品として注目されています。
本記事では、代表的なメーカーやその特徴、製造法について詳しく解説します。
ロングライフパンの特徴
ロングライフパンは、保存料を一切使用せず、独自の製法と厳格な衛生管理により、長期保存を実現しています。
イタリア伝統の「パネトーネ種」を使った発酵法や、衛生的な工場環境での製造により、賞味期限が35日から90日と非常に長いことが特徴です。
また、しっとりとした食感と豊かな風味が保たれています。
ロングライフパンの賞味期限を延ばすための工夫
ロングライフパンは、通常のパンよりも長い賞味期限を持つように設計されています。
そのためには、いくつかの工夫や技術が用いられています。
以下に、ロングライフパンの賞味期限を延ばすための主な方法を紹介します。
特殊な酵母の使用
ロングライフパンでは、パネトーネ種と呼ばれる特殊な酵母が使用されています。
この酵母は乳酸菌を多く含み、酸性が強いため、パンの保水性や静菌性を高める効果があります。
これにより、パンが長期間にわたってしっとりとした食感を保つことができます。
衛生的な製造環境
パンを製造する際の衛生管理が非常に重要です。
清潔な工場環境で製造することで、カビや細菌の発生を抑え、パンの品質を保つことができます。
アルコール蒸散剤の利用
アルコール蒸散剤を使用することで、パンの袋内でアルコール成分が循環し、カビの原因となる菌の増殖を防ぎます。
これにより、賞味期限を延ばすことが可能になります。
特殊な包装技術
パンの包装には、酸素透過を防ぐ特殊なフィルムが使用されることがあります。
これにより、酸化を防ぎ、風味や品質を保持することができます。
保存料を使用しない製法
ロングライフパンは、保存料を使用せずに製法や材料の工夫によって賞味期限を延ばしています。
これにより、より自然な味わいを保ちながら、長持ちさせることができます。
フィリングの工夫
パンの中に使用されるフィリング(具材)も、長期保存に適したものが選ばれています。
これにより、パン全体の品質を保ちながら、賞味期限を延ばすことができます。
これらの工夫により、ロングライフパンは通常のパンよりも長い賞味期限を実現しています。
消費者は、これらの技術を活用したパンを安心して楽しむことができます。
代表的なロングライフパンメーカー
コモ(COMO)
- 製造法: イタリアの自然酵母「パネトーネ種」を使用し、35日から180日の長期保存が可能です。約10時間の発酵工程と3日間の熟成を経て作られます。
- 手間をかけた製法により、独特の香ばしい風味と口どけの良さを実現しています。
- 保存期間: 最大180日間。
- 特徴: 保存料を使わず、独特の風味と柔らかな口どけを実現しています。
パンメーカーとして初めて陸上自衛隊と協定を締結
株式会社コモはパンメーカーとして初めて、陸上自衛隊補給統制本部との間で「大規模災害時における物資の供給要請に関する協定」を締結いたしました。
凄い!です。コモパン。
COMOパンでは、アルバイトをしていた経験があるので、作り方を間近で観て関心していました。
私は、もっぱら焼き専門で、職人が、手ごねで成形していました。
発酵する前のパン生地が、凄く小さいことに驚きました!
約10時間発酵させることにより、あの大きさになります。
高速道路のパンの自販機で売っているのので、みなさんお馴染みかも?しれませんね。
東京ブレッド
- 製造法: 発芽玄米酵母種を使用し、水分活性値を抑えた製法を採用。アルコール蒸散剤を使用し、カビの発生を防止しています。
- 保存期間: 製造日から70日間。
- 特徴: しっとりとした食感とふっくらとした風味が特徴で、日常使いと非常食の両方に適しています。
製法や素材にこだわり、豊かな風味と食感を楽しめるパンを提供しています。
神田五月堂
- 製造法: 独自ブレンドの小麦粉を使用し、遠赤外線トンネルオーブンで短時間焼成。アルコール蒸散剤で保存性を向上。
保存料を使用せず、衛生的な工場環境で製造されています。 - 保存期間: 約50日間。
- 特徴: しっとりとした食感と優しい風味が特徴で、日常の食卓にも適しています。
家庭の常備食や災害時の保存食としても利用されています。
オリオンベーカリー
- 製造法: イタリアの「パネトーネ種」を用い、長時間熟成発酵により保存料なしで長期間保存を実現。
- 保存期間: 製造日から約50日間。
- 特徴: 「力あんぱん」やクロワッサンシリーズなど、多様な商品展開が魅力です。
ピーターパン
ピーターパンは、保存料を使用せず、無添加素材にこだわったパンを製造・販売している日本の企業です。
特に、米粉パンのパイオニアとして知られ、常温で長期保存が可能な製品を提供しています。
・ 製造方法
ピーターパンのパンは、シンプルで上質な素材を使用し、職人が一つ一つ丁寧に焼き上げています。
特に米粉パンには、米粉の老舗である新潟製粉の国産米粉を使用し、独自の製法で開発された「米太郎食パン」などが人気です。
また、グルテンフリー米粉パンの開発にも取り組み、白神こだま酵母やオーガニックパームオイルなどの自然原料を厳選して使用しています。
・保存期間
ピーターパンのロングライフパンは、未開封であれば常温保管で日持ちし、冷凍保存の必要がありません。
具体的な保存期間は製品によりますが、1か月分まとめてお取り寄せいただける保存性を持っています。
これにより、急な来客やお子様のおやつ、非常時の備蓄用としても活躍します。
・特徴
保存料や添加物を一切使用せず、自然な風味と安全性を追求しています。
国産の米粉や小麦を使用し、日本の食料自給率向上にも貢献しています。
グルテンフリー米粉パンや国産小麦パンなど、多彩な商品を展開しています。
常温で長期保存が可能なため、非常食や備蓄食としても適しています。
これらの特徴により、ピーターパンのパンは、日常の食卓から非常時の備蓄まで、幅広いシーンで活躍する製品となっています。
特に、米粉パンの「米太郎食パン」は、2002年の発売以来、20年以上にわたり愛されているロングセラー商品です。
Pasco(敷島製パン)ロングライフブレッド
- 製造法: 「パネトーネ種」を48時間低温熟成させ、さらに長時間発酵。デニッシュ生地を採用。
- 保存期間: 一般的に製造日から68日です。
- 特徴: 菓子パンや惣菜パンを幅広く展開し、デニッシュ生地のしっとりとした食感が特徴です。
パネックス:KOUBO
- 製造法: パネトーネ種を使用し、長時間熟成パンです。低糖質パンの開発にも注力。
- 保存期間: 常温で最大90日間。
- 特徴: 糖質を抑えた体に優しい製品を展開。
ロングライフパンの保存方法
ロングライフパンは、通常のパンよりも長い賞味期限を持つため、特別な保存方法が必要です。
以下に、ロングライフパンの効果的な保存法とその特徴を説明します。
保存環境の選定
ロングライフパンは、直射日光や高温多湿の環境に弱いため、涼しく乾燥した場所で保存することが重要です。
常温保存が基本
ロングライフパンは、一般的に常温での保存が推奨されています。
最適な保存温度は約20〜25度です。
この温度帯では、パンの品質を保ちながら、カビの発生を抑えることができます。
とはいえ!開封後は、密閉できる容器や袋に入れて保存することで、湿気や外部の空気から守ることが肝心です。
賞味期限の確認
ロングライフパンは、製品によって異なりますが、一般的に賞味期限は最大で90日程度です。
購入時には、賞味期限を確認し、早めに消費することを心がけましょう。
開封後の注意
開封後は、賞味期限にかかわらず、できるだけ早く食べることが推奨されます。
特に、開封後は風味が落ちやすくなるため、数日以内に消費するのが理想です。
食べきれない場合は、冷凍保存も可能です。
冷凍する際は、1回分ずつラップで包み、冷凍用の保存袋に入れて保存します。
食べる際は、凍ったままトースターで焼くと良いでしょう。
保存料無添加の特性
多くのロングライフパンは保存料を使用していないため、天然酵母や乳酸菌を利用して長期保存を実現しています。
これにより、体にも優しく、安心して食べることができます。
災害時の備蓄としての利用
ロングライフパンは、災害時の非常食としても重宝されます。
常温で長期間保存できるため、家庭での備蓄に適しています。
ローリングストック(循環備蓄)を活用し、普段から少し多めに購入しておくと、いざという時に役立ちます。
これらのポイントを押さえておくことで、ロングライフパンを美味しく、かつ安全に楽しむことができます。
我が家のローリングストック(パン)のご紹介
非常時に、冷たい🍙おにぎりばかりだと飽きる?かと思い、ネット通販で購入しました。
2030年まで保存可能です!
缶に入ったパンです。24個入りを購入しました。
製造は「社会福祉法人、名古屋ライトハウス」さんです。
ナイスなネーミングの「パンですよ!」
パンの缶詰は、阪神大震災を機に保存食として生まれました。
詳しくは、公式HPをご確認ください。
ロングライフメロンパンの種類
ロングライフメロンパンは、長期保存が可能な日本の菓子パンで、特に災害時の備蓄食や日常のストック食として人気があります。
食べる元気のない時でも、食べれると思うので集めてみました。
Pasco(パスコ)ロングライフメロンパン
パネトーネ種を使用した生地にビスケット生地をのせて焼き上げられています。
賞味期限は製造日から約55〜68日間です。
Como(コモ)ロングライフメロンパン
しっとりとした食感が特徴で、長期保存が可能です。
1セットで3個入りや12個入りなど、さまざまなパッケージがあります。
KOUBO(コウボ)メロンパン
北海道産の材料を使用し、風味豊かなメロンパンを提供しています。
こちらもロングライフ仕様で、保存性が高いです。
デイプラス、天然酵母パン メロン
天然酵母(発芽玄米酵母種(発芽玄米酵母種には、乳酸菌が含まれており、その乳酸菌の働きにより、カビ等の繁殖しにくい生地環境になっていると考えられます。))を使用したしっとりした特性生地にフラワーペーストを折り込んでオリジナル製法で焼き上げた。
今までに無かった食感でメロンの香りがおいしさを一層引き立てたロングライフ(賞味期限の長い)パンです。
デイプラスのロングライフパンの賞味期限は製造日から70日となっています。
天然酵母なのに、ふかふかで柔らかい!という素晴らしい製法で作られています。
SOYブレッドの種類も多いですね。
ヤマザキ、プチメロンパンシリーズ
ヤマザキのプチメロンパンの賞味期限は、製造日から45日です。
冷凍ミニメロンパン
冷凍のミニメロンパンも、冷凍しておけば日持ちしますね。
ホテルなどの業務用として、各社から色々と出ています。
マーちゃんマート(鳥益)のミニメロンパンは、急速冷凍されており、賞味期限は365日です。
保存方法は-18℃以下での冷凍となります。
これらのメロンパンは、いずれも長期保存が可能で、非常食としても利用できるため、家庭でのストックに適しています。
また、各ブランドによって風味や食感に違いがあるため、好みに応じて選ぶことができます。
ロングライフパンの魅力:まとめ
ロングライフパンは、保存性だけでなく、美味しさや安全性にも優れています。
日常の食卓に取り入れることで食品ロス削減に貢献し、非常時の備蓄としても役立ちます。
また、多彩なラインナップが揃い、用途や好みに応じて選ぶことが可能です。
ロングライフパンは、忙しい現代人の食生活を支えるだけでなく、災害時やアウトドアの食事にも適した万能な食品です。ぜひ一度試してみてください。