― 忙しい毎日を整え、自分の軸を取り戻すための1冊 ―
手帳は「予定を書く道具」ではありません。
本来は、暮らし・目標・気持ちを整えるための“思考の居場所”です。
にもかかわらず、
- 書き方が合わずに続かない
- 目標を書いたまま見返さない
- 手帳が「やることリスト」だけで苦しくなる
そんな経験をしている人は少なくありません。
このページでは、あなたの悩み・目的に合わせて選べる「手帳ワークの入口」をまとめました。
全部やる必要はありません。
「今の自分」に合う1つを見つけるための、地図のような記事です。
① まず整えたい人へ|スケジュールより「暮らし」を整理する

忙しい毎日の中で、「予定はこなしているはずなのに、なぜか気持ちが落ち着かない」「一日が終わっても達成感がない」と感じることはありませんか。
多くの場合、その原因は“時間の使い方”そのものではなく、頭と暮らしが整理されないまま走り続けていることにあります。
この手帳ワークで大切にするのは、予定を細かく管理することではありません。
まずは、生活の中に散らばっている用事・気がかり・やりたいことを一度すくい上げ、「今の自分にとって本当に必要なものは何か」を見える形にすることです。すると、不思議なことに、予定の数は減っているのに、心には余裕が生まれてきます。
スケジュール帳をびっしり埋めるのをやめ、暮らし全体を俯瞰して眺める。そんな視点を持つだけで、手帳は“追い立てる道具”から“整える相棒”へと変わっていきます。
こんな人におすすめ
- 忙しいのに、何をしていたか思い出せない
- 手帳が予定でぎっしり
- 休んでいるはずなのに疲れている
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▶ スケジュールは管理より整理!忙しい毎日を整える手帳術
このワークで得られること
- 手帳に書く量を減らせる
- 頭の中が静かになる
- 「整っている感覚」を取り戻せる
② 暮らしの軸をつくりたい人へ|3ヶ月で整えるゴール設計

「目標を立てること」そのものが、少し重たく感じてしまうことはありませんか。1年単位の目標は遠く、立派に決めようとするほど現実との距離が広がり、気づけば途中で形だけになってしまう——そんな経験をした人は少なくないはずです。
3ヶ月ゴール手帳法で大切にするのは、“完璧な目標”ではなく、今の自分が無理なく向かえる仮のゴールを置くことです。
3ヶ月という期間は、短すぎず長すぎず、暮らしの変化や気持ちの揺れを受け止めながら微調整ができる現実的なスパン。この区切りがあることで、「合わなければ変えていい」「途中で立ち止まってもいい」という安心感が生まれます。
暮らしの軸とは、強い意志や一貫した信念ではありません。迷ったときに戻ってこられる“仮置きの基準”のようなもの。このワークを通して、未来を固めるのではなく、今の延長線にある方向性をそっと可視化していきます。
こんな人におすすめ
- 1年の目標が重く感じる
- 決めても途中で変わる
- 今の方向が合っているか不安
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▶ 暮らしの軸をつくる3ヶ月ゴール手帳法
このワークで得られること
- 遠すぎない未来を描ける
- 判断に迷いにくくなる
- 気持ちと行動のズレが減る
③ 自分に合う目標を見つけたい人へ|1年を振り返る手帳ワーク

1年を振り返る、と聞くと「反省会のようで気が重い」「できなかったことばかり思い出してしまう」と感じる人も多いかもしれません。
ですが、この手帳ワークの目的は、過去を評価したり、良し悪しをつけたりすることではありません。大切なのは、事実としての1年をやさしく見つめ直すことです。
日々の出来事や選択を丁寧に振り返っていくと、「思っていたほど悪くなかった」「意外と頑張っていた」「これは確かに大切にしていた時間だった」といった、小さな発見が浮かび上がってきます。
そこには、目標設定の本や他人の成功例を眺めているだけでは見えてこない、自分自身の価値観や判断基準が隠れています。
この1年振り返りワークは、次の目標を無理に決めるためのものではありません。むしろ、過去の積み重ねの中から「自然と選び続けていたもの」を拾い上げ、これから先の方向性をそっと示してくれる作業です。
だからこそ、肩の力を抜いて向き合うことで、自分に合った目標の種が静かに見えてくるのです。
こんな人におすすめ
- 目標を立てるのが苦手
- 他人の理想に引っ張られやすい
- 大切にしたいことが曖昧
関連記事
▶ 自分に合う目標が見つかる1年の振り返りワーク
このワークで得られること
- できなかった自分を責めなくなる
- 無意識の価値観に気づける
- 次の1年を軽く始められる
④ 年末・節目に整えたい人へ|手帳でできるリセット習慣

年末や節目の時期になると、「今年もあっという間だった」「結局、何ができたのだろう」と、気持ちが落ち着かなくなることはありませんか。忙しく過ごしてきた人ほど、立ち止まって振り返る余裕がなく、心の中に“やり残し感”だけが残ってしまうことがあります。
このリセット習慣で大切にするのは、1年をきれいに総括することでも、反省点を洗い出すことでもありません。むしろ、ここまで歩いてきた時間に、いったん区切りをつけること。
手帳に書き出すことで、頭の中に溜まっていた思考や感情が整理され、「もう持ち続けなくていいもの」と「次に持っていきたいもの」が自然と分かれていきます。
節目に手帳を使ってリセットすることで、過去を引きずったまま新しい時間に入るのではなく、気持ちを軽くした状態で次の一歩を踏み出せるようになります。年末に限らず、誕生日や年度の変わり目など、人生の小さな節目ごとに活用できるのも、このワークの大きな魅力です。
こんな人におすすめ
- 年末になると焦る
- 1年があっという間に過ぎたと感じる
- 気持ちを切り替えたい
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▶ 年末に整う手帳ワーク5選
このワークで得られること
- 気持ちの区切りがつく
- 不要な思考を手放せる
- 新年を白紙で迎えられる
⑤ 体を整えたい人へ|手帳で向き合うダイエット・習慣記録

「体を整えたい」と思ったとき、多くの人がまず体重や数値を思い浮かべます。ですが、数字だけを追いかけるダイエットは、少しの増減で気持ちが揺れ動き、いつの間にか疲れてしまうことも少なくありません。続かない原因は、意志の弱さではなく、体と心の変化をうまく受け止められていないことにあります。
手帳で向き合うダイエット・習慣記録は、結果を管理するためのものではありません。食事・睡眠・気分・体調などをゆるやかに書き留めることで、「調子が良い日は何が違うのか」「無理をしているサインはどこに出ているのか」といった、自分なりの傾向が少しずつ見えてきます。この“気づき”こそが、習慣を変えるいちばんの近道です。
体は毎日同じではありません。だからこそ、完璧を目指さず、その日の状態を受け止める視点が大切になります。手帳を通して体と対話することで、ダイエットは「頑張るもの」から「整えていくもの」へと変わっていきます。数字に振り回されず、自分のペースで体を整えたい人にこそ、このワークはやさしく寄り添ってくれます。
こんな人におすすめ
- ダイエットが続かない
- 数字を見ると落ち込む
- 生活習慣を見直したい
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▶ 手帳で取り組むダイエットノートの作り方
このワークで得られること
- 体と心の変化を見える化できる
- 続かない理由がわかる
- 習慣を仕組みにできる
⑥ 忙しい人・続かない人へ|毎朝5分で整う手帳習慣

「手帳を使いたい気持ちはあるのに、時間がなくて続かない」「夜に書こうと思っても、疲れてそのまま眠ってしまう」——そんな声はとても多く聞かれます。忙しい人ほど、手帳のためにまとまった時間を取ろうとしてしまい、それがかえってハードルになっているのかもしれません。
毎朝5分手帳習慣で大切にしているのは、“しっかり書くこと”ではなく、一日を始める前に自分の状態を確認することです。朝は、感情や出来事にまだ振り回されていない時間帯。だからこそ、「今日はどんな一日にしたいか」「無理をしすぎていないか」といった、小さな問いを静かに手帳に落とし込むことができます。
たった5分でも、毎日同じタイミングで手帳を開くことで、それは立派な習慣になります。完璧に書けなくてもいい、空白の日があってもいい。続けるうちに、手帳は“やるべきことを書く場所”から、“自分を整えてから一日を始めるためのスイッチ”へと変わっていきます。忙しい毎日の中でも無理なく続けたい人にこそ、この朝の5分はやさしい支えになってくれるはずです。
こんな人におすすめ
- 時間がない
- 手帳が三日坊主になる
- 夜は疲れて書けない
関連記事
▶ “毎朝5分手帳タイム”のリアルな書き方
このワークで得られること
- 手帳のハードルが下がる
- 習慣化しやすくなる
- 日常に自然に溶け込む
迷ったらここから|あなたに合う手帳ワークの選び方

- とにかく余裕がほしい → ①
- 方向性を整えたい → ②③
- 区切りをつけたい → ④
- 習慣を変えたい → ⑤⑥
1つだけでOK。今の自分に合うものから始めてください。
関連記事|手帳ワークをもっと深めたい人へ

ここで紹介している6つの手帳ワークに加えて、 「続かない」「決められない」「うまく書けない」と感じたときに役立つ補助記事も用意しています。
今の自分の状態に近いものから、気軽に読んでみてください。
思考が散らかりやすい人へ
- ▶ 手帳が続かない本当の理由|書き方より先に整えるべき3つのこと
- ▶ 書かない勇気を持つ手帳術|あえて空白を残す理由
目標に疲れてしまった人へ
- ▶ 目標を立てないという選択|手帳で「方向感覚」だけ持つ方法
- ▶ 「やりたいこと」が分からない人のための手帳質問集
習慣が途切れがちな人へ
- ▶ 三日坊主を責めない手帳の使い方|続かなかった記録の活かし方
- ▶ 夜に書けない人へ|手帳は朝と夜で役割を分けていい
心や気持ちを整えたい人へ
- ▶ 手帳で感情を整える|モヤモヤを書き出すだけの簡単ワーク
- ▶ 落ち込んだ日に開くページ|手帳に書いておく“安心メモ”
まとめ|手帳は「できる自分」を作る道具じゃない

手帳は、頑張らせるための道具でも、自分を管理して評価するための道具でもありません。予定を完璧にこなすことや、理想の自分に近づくことだけを目的にしてしまうと、手帳はいつの間にかプレッシャーの源になってしまいます。
本来の手帳は、立ち止まり、整え、そして選び直すための場所です。
忙しい日々の中で一度足を止め、「今の自分はどんな状態なのか」「何を大切にしたいのか」を静かに確認できる、安心できる居場所でもあります。
うまくいかなかった日があっても、その事実を書き留めることで、次に活かすヒントが自然と見えてきます。
このシリーズで紹介してきた手帳ワークは、完璧を目指すための方法ではありません。
揺れながら、迷いながら、それでも自分の感覚を信じて進んでいくための“支点”をつくるものです。
このシリーズが、あなたの毎日を少し軽くし、「これでいい」と思える感覚を何度でも取り戻すきっかけになれば嬉しいです。






