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可憐な姿に秘められた力強い名前の秘密 – ゲンノショウコ

山野草

皆さんは、「ゲンノショウコ」という植物をご存知ですか?

道端で見かけることも多い、可愛らしい白色やピンクの花を咲かせる植物です。

しかし、その名前の由来を知ると、その可憐な姿とのギャップに驚かれるかもしれません。

ゲンノショウコは、古くから煎じて飲まれてきました。

その効果の高さから、「飲めばたちどころに効果が現れる」という意味を込めて、「現の証拠」と呼ばれるようになったと言われています。

今回は、そんな力強い名前を持つゲンノショウコの魅力に迫りましょう。

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基本情報

ゲンノショウコ(現の証拠)

  • 分類: フウロソウ科、フウロソウ属
  • 別名:ミコシグサ

花の特徴

ゲンノショウコの花は、直径1~1.5cmほどと、さほど大きくありません。

濃いピンク色または白色をしています。

5枚の花びらが特徴で、中心には雄しべと雌しべがあります。

開花時期は、地域にもよりますが、一般的には7月から10月頃です。

葉の特徴

葉は、手のひら状に深く裂けており、3~5つの切れ込みがあります。

上の方の葉っぱは小さく、3裂だったりしますが、下の方の葉っぱは大きく5裂です。

ニリンソウに似た葉っぱですね。

葉の縁には、細かいギザギザがあります。

花の大きさを考えると、葉っぱが大きく思います。

葉の表面には、白い毛が生えているのが特徴です。

実の特徴

ゲンノショウコの実の形は非常にユニークです。

丸いのが実です。

熟すと5つに裂け、それぞれの裂片がクルリと巻き上がり、まるで神輿の屋根のように見えることから、「ミコシグサ」という別名もついています。

このバネ?の力を使って、より遠くへ種を飛ばします。

みこしのイメージ。

ナイスなネーミングです。

「ミコシグサ」とは、ゲンノショウコの実が跳ね上がった姿を言うので、同じ植物です。

ぜひ、探してみて下さい。

上のミコシグサの写真は、2024/9/5 岐阜県下呂市です。

この時期だと下呂市では、花は終わって実になっています。

分布と環境

ゲンノショウコは、日本全国の山野や道端、草地など、日当たりの良い場所に広く見られます。

東日本では白色が多く,西日本では紅紫色が多く見られるようです。

岐阜県の東白川村では、紅紫色と、白色が両方咲いていて、同じ場所で どちらも見られます。

極まれに、中間のピンク色も運がいいと見られます。

これが 2024/9/14 東白川で見た、ピンク色ですが、写真だと分かりづらいですね。

観察時の注意点!

雨の日や、夕方になると、お花が閉じてきてしまいます。

天気のいい明るいうちに観に行くと、しっかり開いて咲いていますので、お勧めです。

ゲンノショウコの儚げな花言葉

ゲンノショウコの花言葉は、その力強いイメージとは裏腹に、「心の強さ」「信念」といった意味合いを持っています。

「誰か私に気づいて」というのもありますが、あまり目立たないことからなのでしょう。

全国、山だけではなく、里なのど公園にも普通に咲いている草花なので、探してみてください。

ゲンノショウコは日本の薬草の代表格?

薬草と聞くと、苦みや独特の香りを想像する方もいるかもしれません。

しかし、ゲンノショウコは、その可憐な見た目とは裏腹に、古くから日本で親しまれてきた代表的な薬草の一つです。

現代では、健康茶などにも利用されています。

薬効については、専門のHPを参照ください。

ゲンノショウコ Geranium thunbergii SIEB. et ZUCC. (フウロソウ科) 今月の薬草 社団法人日本薬学会
社団法人日本薬学会Webサイト

和の心を体現するゲンノショウコ

ゲンノショウコは、日本の風景にそっと溶け込むような、控えめながらも美しい花を咲かせます。

その姿は、まさに「和の心」を体現しているかのようです。

近年、自然と触れ合い、心身ともに癒やしを求める人が増えています。

ゲンノショウコは、そんな現代人に、改めて日本の自然の美しさ、そして力強さを思い出させてくれる存在と言えるでしょう。

ゲンノショウコは秋の七草? ちょっと待って! それは勘違い!

「秋の野に咲きたる花を指折り(およびおり)かき数ふれば七種(ななくさ)の花」という歌と共に、秋の風物詩として親しまれている秋の七草

ゲンノショウコは、秋の七草と勘違いされることもありますが、これは誤りです。秋の七草に数えられているのは、「ハギ(萩)、ススキ(薄)、クズ(葛)、ナデシコ(撫子)、オミナエシ(女郎花)、フジバカマ(藤袴)、キキョウ(桔梗)」の七種類です。

ただし、ゲンノショウコも秋に可憐な花を咲かせる植物であることには変わりありません。

秋の散策中に見かけたら、ぜひその可愛らしい姿を観察してみてください。

自家受粉を防ぐ仕組みに驚き!

ゲンノショウコの花は、雄しべと雌しべが両方備わった 両性花 です。

ただし、雄しべと雌しべが同時に成熟するわけではありません。

ゲンノショウコは、まず雄しべが成熟して花粉を放出します(雄性期)。

青いのが、雄しべです。

その後、

雄しべがしおれてから雌しべが成熟し、他の花の花粉を受粉できる状態になります(雌性期)。

右側の花は、雄しべがしおれて無くなった後に、雌しべが開いた状態です。

これは 雄性先熟 と呼ばれるもので、自家受粉を避けるための仕組みです。

つまり、同じ花の中にあるものの、雄しべと雌しべが成熟するタイミングが異なるため、別々に出ているように見える時期があるということです。

花の見た目も変わり、2度 楽しめますね。

フウロソウ属の仲間たち

ハクサンフウロ(白山風露)、アサマフウロ(浅間風露)、イブキフウロ(伊吹風露)、シコクフウロ(四国風露)など沢山あります。

岐阜でも、珍しいビッチュウフウロ(備中風露)が見られる所があります。

是非、訪れてみてください。


まとめ

今回は、ゲンノショウコについて、その特徴、花言葉などを詳しく解説しました。

道端に咲く小さく可愛らしい花にも、それぞれに歴史や物語があります。

皆さんも、身近な植物に目を向けてみてはいかがでしょうか?

雄性期雌性期から、ミコシグサまで、色んな表情を見せてくれるので、夏~秋まで長く楽しませてくれます。

きっと、新しい発見があるはずです。

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