あなたの心を奪う、星降る湿原の妖精 シラタマホシクサ
東海地区の自然が育んだ神秘の花、シラタマホシクサ。
その名前を聞いただけで、白い玉のような花が星空のように広がる幻想的な風景が目に浮かびます。
しかし、この可憐な花は、東海地区の限られた場所でしか見ることができない貴重な存在なのです。
まるで雪が降り積もったかのような幻想的な光景を作り出します。
しかし、その姿を一目見ようと思っても、簡単にはいきません。
可愛らしい名前と、愛らしい姿を持つシラタマホシクサですが、その小さく白い花を咲かせるまでには、過酷な生存競争を勝ち抜いてきた、力強い一面も持ち合わせています。
今回は、そんな儚くも強い魅力を持つシラタマホシクサの秘密に迫り、その存在を守るために私たちができることを考えていきましょう。
東海地区が誇る自然の宝石!シラタマホシクサの魅力に迫る
1. 綿毛のような愛らしさ!シラタマホシクサってどんな植物?
シラタマホシクサ、その名前を聞いてどんな姿を想像しますか?
その名の通り、白い玉のような花を咲かせる、愛らしい植物です。
直径わずか5mmほどの小さな白い花は、形が金平糖にも似ていることから、「金平糖草」とも呼ばれます。
秋風が吹く湿地帯で、水面から顔を出すように咲く姿は、健気で愛らしいと評判です。
日本の固有の植物。
シラタマホシクサ(白玉星草)
ホシクサ科ホシクサ属の一年草
その美しさと珍しさから、多くの自然愛好家や写真家を魅了してきました。
2. 東海地方の宝!シラタマホシクサに会える場所
シラタマホシクサは、東海地方の限られた湿地にのみ生息する貴重な植物です。
愛知県では、国内最大級の規模だった葦毛湿原をはじめ、いくつかの場所でその姿を見ることができます。
豊橋市の自然保護公園「葦毛湿原」では、8月中旬ごろ開花が始まり10月中旬ごろまで観察できます。
・東山動植物園
・八竜緑地(守山区大森八龍一)十月初旬までが最盛期
・【黒田湿地】岐阜県瑞浪市の屏風山系の山の中の湿地
湿地が巨大です。(黒田湿地)2020/9/23
また岐阜県でも、湿原の保全活動が進められており、可憐な花を咲かせるシラタマホシクサに出会える場所が増えてきています。
・ 陶史の森、土岐市の中央丘陵地帯の森林、ビオトープが整備されています。
陶史の森 2020/9/28
・尾張旭市、愛知森林公園の湿地 2020/11/8
11月でも白いまま立っていました。
3. 今が見頃!シラタマホシクサが開花する時期
シラタマホシクサの開花時期は、花期は8月下旬~10月。
秋の訪れとともに、湿原を白く彩る姿は、まさに圧巻です。
開花期間はわずか2週間ほどと短い花ですが、その儚さもまた、多くの人を惹きつける魅力の一つと言えるでしょう。
4. 失われる美しさ…シラタマホシクサが減っている理由
かつては、東海地方の湿地帯で当たり前に見られたシラタマホシクサ。
しかし、近年では、開発による湿地の減少や、環境の変化によって、その数を減らしています。
また、その愛らしい姿から、心ない者の持ち去りの被害にあうことも…。
一度壊れてしまった自然を取り戻すことは容易ではありません。
シラタマホシクサを観察する際には、細心の注意を払い、自然を大切にする心が求められます。
5. 未来へつなぐために!私たちにできるシラタマホシクサの保全活動
シラタマホシクサの保全には、私たち一人ひとりの意識と行動が重要です。
湿原にゴミを捨てない、むやみに植物を採取しないなど、自然と触れ合う際のルールやマナーを守りましょう。
また、地域団体が主催する保全活動に参加するのも良いでしょう。
東海丘陵要素植物の一つ
静岡県・愛知県・岐阜県・三重県の伊勢湾沿岸近辺の湿地、谷筋の崩落が起こる斜面、ため池の端に分布することが多い。
まとめ
今回は、東海地方の限られた湿地でしか見られない、貴重な植物「シラタマホシクサ」の魅力に迫りました。
私たちの何気ない行動が、シラタマホシクサの未来を守ることへ繋がります。
この秋は、湿原に足を運んで、可 憐に咲くシラタマホシクサの姿を、あなたの目で確かめてみませんか?
そして、未来へ繋ぐために、私たちにできることを、一緒に考えていきましょう。