煮込み料理やカレーを作っているとき、ふと「ローリエがない!」と気づいた経験はありませんか?
料理の香りに深みを与えてくれるローリエは、まるで影の立役者のような存在。
でも、わざわざ買いに行くのも面倒だったり、そもそも常備していない家庭も多いですよね。
そんなときこそ活躍するのが、他のハーブたち。
実は、風味の系統や香りの強さを考慮すれば、ローリエの代わりになるハーブは意外と多いんです。
この記事では、料理研究家目線で選んだ「ローリエの代用になるハーブ7選」をご紹介。
それぞれの香りの特徴や、どんな料理に合うのか、使い方のコツまで徹底解説します。
香りのチョイスで料理の印象はガラリと変わる。
“ローリエがなくても美味しくなる”そんなアイディアがきっと見つかります。
ローリエの香り成分と代用ハーブを選ぶ基準

ローリエの香りを再現するには、まず「香りの正体」を知ることが大切です。
何となく入れていたローリエですが、実は香り成分にはしっかりとした意味と役割があるんです。
その特徴をひもとけば、他のハーブで代用する際の選び方にも自信が持てるようになります。
でも、ただ香りが似ているだけでは不十分。
煮込み料理で使うことが多いローリエの代用には、「加熱耐性」や「使いやすさ」も重要なポイントです。
どのハーブをどんな基準で選べばいいのか、迷ったときの判断材料になるはずです。
さらに、実際に自宅の棚にどんなハーブが眠っているのかを見直すだけでも、新しい発見があるかもしれません。
意外と、身近なハーブがローリエの代わりになる可能性だってあるのです。
この章では、ローリエの香りの特徴と代用ハーブを選ぶための基本的な考え方を解説していきます。
ローリエに含まれる代表的香り成分とは?
ローリエの独特な香りの正体は、「シネオール」「オイゲノール」「ミルセン」といった複数の芳香成分のバランスにあります。
これらの成分は、それぞれ異なる役割を果たしながら、全体として深みと奥行きのある香りを作り出しています。
特に「シネオール」はユーカリやローズマリーにも含まれる成分で、清涼感とともにやや薬草的なニュアンスを含んでいます。
この成分は、料理にすっきりとした爽やかさを加えつつ、肉の臭みを消してくれるため、煮込み料理では非常に重宝されます。
「オイゲノール」はクローブなどにも多く含まれ、甘さとスパイシーさを兼ね備えた香りが特徴です。
一方で「ミルセン」は果実的でややウッディな香りを持ち、香りに柔らかさと温かみを加えてくれます。
これらの成分が絶妙に混ざり合うことで、ローリエ特有の“香りの奥行き”が生まれているのです。
つまり、これらの成分のいずれか、あるいは複数を含むハーブを選ぶことで、ローリエに近い香りの再現が可能になります。
代用ハーブの選定においては、この香り成分の組成をヒントにすることで、より本格的な仕上がりが目指せます。
代用ハーブに求める3つの条件
代用ハーブを選ぶ際に意識しておきたいポイントは、大きく分けて次の3つに集約されます。
まず1つ目は「香りの方向性が似ていること」。
これは、ローリエ特有のすっきりとした清涼感や、穏やかでややスパイシーな香りを持つ成分を含んでいるかどうかという観点です。
香りのベクトルがあまりにも違うと、料理全体の印象が変わってしまい、代用というより“別物”になってしまうこともあるため、注意が必要です。
2つ目は「煮込みなどの加熱調理でも香りが飛びにくいこと」。
香りが弱いハーブや、生の葉しか使えない種類は、長時間の加熱で香りがなくなってしまうことがあります。
そのため、乾燥タイプでも香りが持続するもの、あるいは煮込んでも風味が活きるハーブを選ぶと、よりローリエらしい効果を得ることができます。
3つ目は「入手しやすさや常備しやすさ」。
いくら香りが近くても、手に入りにくかったり、保存が難しいハーブでは実用性に欠けます。
スーパーやネット通販で手軽に入手でき、なおかつ乾燥や冷凍で長期保存できるものがベター。
この3つの条件をバランスよく満たしていれば、代用としての満足度も高まります。
なお、香りが強すぎるハーブは入れる量に細心の注意を払いましょう。
少しの違いで風味が主張しすぎてしまうため、控えめに使いながら自分好みの加減を見つけていくのがベストです。
また、料理に加えるタイミングも重要で、途中で加えるのか、仕上げにひと振りするのかでも香りの出方が変わります。
こうした「使い方のコツ」を知っておくと、代用ハーブの選択肢が一気に広がります。
家庭にあるハーブの常備率チェック
冷蔵庫やスパイスラックを覗いてみてください。
もしかしたら、奥の方に眠っている乾燥ハーブが意外な戦力になるかもしれません。
バジルやパセリ、タイムなどの乾燥ハーブは、料理好きなご家庭はもちろん、そうでなくても「なんとなく買って残っている」ということがよくあります。
これらはローリエと同様に、香りづけや臭み消しの役割を担うことができるので、十分な代用品になります。
さらに、スーパーで手軽に買えるローズマリーやディルも、風味の強さや料理への汎用性から見ても優秀な選択肢です。
ローズマリーは肉料理全般、ディルは魚やマリネとの相性がよく、用途ごとに常備しておくととても便利です。
最近では100円ショップやドラッグストアでも乾燥ハーブが手に入るようになり、より日常的に取り入れやすくなっています。
冷凍タイプのハーブや、チューブタイプのパセリ・バジルなども、保存性が高くおすすめ。
こうした選択肢が増えてきた今こそ、「手元にあるもので代用する」という考え方が、より実用的になっているのです。
常備率が高ければ高いほど、思い立ったときにすぐ使える=料理の自由度が広がります。
難しく考えず、まずは家にあるハーブから気軽に使ってみる。
その発想が、日常の料理をちょっと楽しくする第一歩です。
ハーブ7選+特徴&使い方

「じゃあ、実際にローリエの代わりになるハーブって何?」
そう思った方のために、ここでは具体的なおすすめハーブを7つご紹介します。
ただ単に香りが似ているだけではなく、料理のシーンごとに適した使い方ができるかどうかも重要。
煮込みに強いもの、魚に合うもの、香りが飛びにくいものなど、それぞれに得意分野があるんです。
さらに、どれくらいの量を入れればいいか、いつ加えるのがベストなのかといった“実用的なコツ”も解説。
乾燥・生タイプの違いや、初心者向けハーブも取り上げているので、どんな方にも役立つ内容になっています。
「なんとなく使ってたけど、そういう意味があったのか!」と感じてもらえるはず。
さあ、ローリエに代わる香りの主役たちを見ていきましょう。
ローズマリー – 強い香りと料理への適応例
ローズマリーは、清涼感があり、どこか薬草的で、やや樟脳(しょうのう)を思わせる力強い香りが特徴です。
この独特な香りが、肉の臭みをしっかりと抑え、料理に深みと奥行きを与えてくれます。
特に、ラム肉や牛すね肉など、クセの強い素材と合わせると、その効果を実感しやすいでしょう。
ローリエの代用として使う際には、乾燥ローズマリーを1枝分(もしくは小さじ1/2ほど)加えるのが一般的な目安です。
煮込み料理では、じっくりと香りが移るため、最初の段階で鍋に加えると効果的です。
ローストチキンやグリル野菜のようなオーブン料理にもよく合い、オリーブオイルとの相性も抜群。
香りが非常に強いため、入れすぎてしまうと料理全体がローズマリー一色になってしまうことも。
そのため、最初は控えめに使用し、好みに合わせて少しずつ調整していくのがポイントです。
また、生のローズマリーを使う場合は、加熱後に取り除くことで食感の邪魔を防ぎながら、香りだけを活かすことができます。
ローリエよりも香りの主張が強めですが、使いこなせば“香りの主役”として料理を格上げしてくれる頼もしい存在です。
タイム – 抗菌作用と煮込みとの相性
タイムは、ほのかにスパイシーで、どこか土っぽさを感じさせる香りが特徴のハーブです。
その独特の香りは煮込み料理と非常に相性が良く、ローリエの代わりとして自然に溶け込む存在です。
タイムには抗菌作用や消臭効果もあるため、料理の香りづけだけでなく、素材の臭みを和らげる機能的な役割も果たしてくれます。
この点では、ローリエと同じように「風味と安心感の両立」が期待できる優秀な代用品といえます。
ビーフシチューやラタトゥイユ、トマト煮込みなど、長時間煮込む料理に加えることで、じわじわと香りが広がり、全体に深みを持たせてくれます。
乾燥タイプでも香りが飛びにくく、煮込むほどに味にまとまりを与えてくれるのが大きな魅力です。
タイムは葉が小さいため、煮込みの途中で枝ごと加え、仕上げに取り出すと口当たりも良くなります。
また、肉料理や豆料理、スープとの相性も良く、ヨーロッパでは家庭料理の定番ハーブとして使われています。
他のハーブと組み合わせても喧嘩しにくく、ローズマリーやセージと一緒に使うと、さらに香りに奥行きが生まれます。
少量でもしっかり香るので、初めて使う方は控えめな量から試して、自分の好みに合わせて調整してみてください。
バジル – 生でも使える爽やかさ
バジルは、フレッシュな香りとほんのり甘さを感じる風味が特徴で、特にトマトベースの料理との相性は抜群です。
その香りは料理全体を明るく、爽やかな印象に仕上げてくれるため、イタリアンを中心に世界中で愛されています。
ローリエと比べると香りの方向性はかなり異なりますが、代用として使う場合は“風味の切り替え”という視点で取り入れると、新しい味わいが生まれます。
たとえば、ミートソースやラザニア、トマト煮込みの仕上げに刻んだバジルを加えるだけで、一気に香りが立ち、料理に個性が加わります。
また、生の葉をそのままトッピングとしてあしらうことで、見た目にもアクセントになり、食欲をそそる効果も。
乾燥タイプのバジルは、香りがやや弱まるものの、スープやパスタソースに加えるとしっかり風味が残ります。
他のハーブや調味料との相性も良く、オリーブオイルやガーリック、モッツァレラチーズなどと組み合わせると、香りがさらに引き立ちます。
さらに、バジルは加熱しても比較的香りが残りやすいため、煮込み料理の中盤〜仕上げに加えるとバランスが良くなります。
ローリエの代用として使う場合は、バジルの“爽やかさ”と“親しみやすさ”を活かすことで、いつもとは違う角度から料理を楽しむことができます。
コリアンダー(パクチー) – 人気の香草活用法
好き嫌いがはっきりと分かれる香りを持つコリアンダー(パクチー)ですが、その個性的な風味はエスニック料理に欠かせない存在です。
特に、タイカレーやフォー、インドのダルカレー、メキシコのサルサなど、スパイスや香辛料を多用する料理において、香りのアクセントとして絶大な力を発揮します。
ローリエとは香りの系統が異なりますが、料理に“複雑さ”や“奥行き”を持たせたいときの代用としては非常に有効です。
乾燥タイプもありますが、香りが飛びやすいため、できればフレッシュな葉を使うのがおすすめ。
みじん切りにして仕上げに散らすことで、さわやかで刺激的な香りが立ちのぼり、食欲をかきたてます。
また、香りだけでなく彩りの面でも料理にアクセントを加えてくれるため、ビジュアル面でも活躍してくれます。
クセが強いため、最初からたっぷり入れるのではなく、少量から試してみるのがベター。
食べ慣れていない人には、香りに慣れるまで徐々に量を増やしていくとよいでしょう。
逆に、パクチー好きにはたまらない芳香が魅力で、料理に深い印象を与えることができます。
アジア料理に限らず、トマトベースのスープやサンドイッチのトッピングにも活用でき、使い方次第で汎用性は広がります。
ディル – 魚料理での代用に◎
ローリエがないとき、特に魚の煮込みやマリネにおすすめなのがディルです。
爽やかでやや甘みを帯びた香りは、白身魚や甲殻類などの繊細な風味を引き立てながら、気になる臭みを和らげてくれます。
その香りは控えめながらも上品で、料理に“清涼感”と“軽やかさ”を加える効果があります。
ディルは、北欧やロシア料理でも定番のハーブで、サーモンのグラブラックスやポテトサラダ、ピクルスなどのアクセントにもよく使われます。
日本の食卓ではあまりなじみがないかもしれませんが、取り入れてみると意外な相性の良さに驚くはずです。
特に酸味との相性が抜群で、酢を使ったマリネ液やピクルス液に加えると、香りが立ち上がりレストランのような仕上がりになります。
乾燥ディルでも十分に香りが残るため、ひとつまみ加えるだけで風味がぐっと豊かになります。
生のディルが手に入る場合は、仕上げにトッピングとして加えると見た目の彩りもアップ。
魚だけでなく、ヨーグルトやクリーム系ソースとも相性がよく、タルタルソースやディップの風味付けにも活用できます。
ローリエのような重厚な香りではありませんが、あっさりとした料理に軽やかな風味を添えたいときにはぴったりの代用ハーブです。
ナツメグ – ひき肉中心の料理向け
ミートローフやハンバーグなど、ひき肉を使った料理におすすめなのがナツメグです。
ナツメグには、ほんのりとスパイシーで温かみのある香りがあり、食材の風味を引き立てつつ、料理全体に“こなれたコク”を与えてくれます。
ローリエのように香草らしい香りは持ちませんが、その代わりとして「味の深み」や「料理全体の一体感」をプラスする存在として非常に有効です。
特に肉汁のうま味が前面に出るひき肉料理においては、ナツメグが入っているかどうかで味の完成度が大きく変わることも。
欧米では古くからひき肉料理の必需スパイスとされており、シェパーズパイやボロネーゼソースなどにも広く使われています。
使う量はごく少量でOK。
小さじ1/4程度を目安にすると、香りが強く出すぎずちょうどよいバランスになります。
ただし、香りが飛びやすいという性質があるため、あまり長時間火にかけるとせっかくの風味が失われてしまうことも。
加熱の最後の方に加える、またはタネの下味として練り込むようにして使うのがおすすめです。
さらに、ナツメグはシナモンやクローブとも相性がよく、洋風の煮込みやスパイスブレンドの一部としても活用できます。
ローリエとは異なるベクトルで“料理に奥行きを加える”スパイスとして、ぜひ常備しておきたい一品です。
パセリ – 控えめな香りで初心者向け
強すぎず、ほんのりとした青みを感じる優しい香りが特徴のパセリは、ハーブ初心者にも扱いやすい存在です。
独特のクセがないため、どんな料理にも自然となじみ、使う場面を選びません。
見た目の彩りとして添えるイメージが強いですが、実は香味としての役割もしっかり果たしてくれます。
煮込み料理の仕上げに刻んで加えると、ふわりと青々しい香りが立ち、味にさわやかな後味を添えてくれます。
生のパセリはもちろん、乾燥パセリも手軽に使えて便利です。
乾燥タイプは保存がきくので、常備しておくと「あと一味ほしい」ときに重宝します。
また、刻んだパセリをバターと混ぜて“パセリバター”として使うと、ステーキや白身魚のソテーなどにも使える万能調味料になります。
香りの主張が強すぎないため、タイムやバジル、ローズマリーなど、他のハーブとの相性も良好です。
スープや卵料理、炒め物などにも合わせやすく、和風・洋風・中華にも幅広く使える“影の立役者”ともいえるでしょう。
ハーブ使いに慣れていない方が最初に手に取るには、まさにうってつけの一本です。
用途別おすすめハーブ活用例

同じハーブでも、使う料理によって活躍の場面が変わります。
ここでは、「料理のジャンル別」に、どんなハーブを使えばいいかをご提案。
カレーやシチューのような煮込み系には、香りがしっかり残るタイプ。
ピクルスやマリネのような酸味のある料理には、爽やかで主張しすぎない香りが向いています。
また、魚や肉の下処理に役立つ消臭効果のあるハーブも紹介。
素材の臭みをうまくカバーしつつ、料理に深みを与える使い方もお伝えします。
この章を読めば、「料理に合わせて香りを選ぶ」という、新しい視点が得られるはず。
いつものレシピにひと工夫したくなったら、ここを参考にしてみてください。
カレー/シチュー系での代用術
ローリエがないときのカレーやシチューには、タイムやローズマリーが特におすすめです。
この2つのハーブは、煮込みの途中で加えても香りが飛びにくく、コクを深めながら肉の臭みをしっかり抑えてくれます。
タイムは控えめで奥ゆかしい香りが特徴で、シチューに落ち着いた風味を加えるのに適しています。
一方でローズマリーはやや主張のある香りですが、しっかり煮込むことで柔らかくなり、カレーのスパイスとの相性も意外と良好です。
仕上げにバジルを加えて風味を立たせるのもおすすめ。
特にトマト系のシチューやキーマカレーでは、バジルの爽やかさがよく合い、料理の印象をパッと華やかにしてくれます。
さらに、香りの層を厚くするには、ローズマリー+タイム+少量のナツメグといったミックス使いも有効。
それぞれのハーブが異なる香りのベクトルを持っているため、複数のハーブをバランスよく組み合わせることで、より奥深く複雑な香りが演出できます。
加えるタイミングにも工夫を。
煮込みの最初にタイム、途中にローズマリー、仕上げにバジルの順で加えることで、香りが重層的に広がります。
いつもの煮込み料理にひと工夫したいとき、ハーブの重ね使いは大きな武器になります。
ピクルス・マリネ系の香りづけ
ピクルス液やマリネ液に、ディルやローズマリーを加えるだけで、風味が格段にアップします。
ほんのひと手間で、家庭の副菜がまるでレストランのような洗練された香りに変化します。
特にディルは、レモンや酢との相性が非常によく、酸味の中に爽やかな清涼感を加えてくれます。
きゅうりやにんじん、大根などの野菜を使ったピクルスに加えると、野菜本来の甘みを引き立て、風味のバランスがより豊かになります。
また、白身魚やサーモンのマリネにも適しており、ほんのひとつまみのディルが全体の香りを引き締めてくれます。
ローズマリーを使う場合は、やや強めの香りなので小枝1本分程度にとどめ、煮立てずに漬け込むことで香りが尖りすぎないようにするのがコツです。
両者を組み合わせることで、酸味・甘味・ハーブの香りが調和し、複雑で深みのある味わいに仕上がります。
使う量は控えめにし、香りの輪郭が残る程度にとどめることで、素材の味わいを邪魔せず引き立ててくれます。
ほんの少し加えるだけでも、料理の印象がぐっと上品に変わるので、ぜひ取り入れてみてください。
魚・肉の下処理に向くハーブ
魚や肉の下処理には、タイムやローズマリーといった香りの強いハーブが定番中の定番です。
これらは、素材の持つくさみを和らげると同時に、下味として風味の土台を作ってくれます。
加熱後にも香りがしっかり残るのが特徴で、調理中から仕上がりまで、料理全体に爽やかで食欲をそそる香りを届けてくれます。
タイムは、特に白身魚や鶏肉に合い、優しい香りで素材の風味を邪魔しません。
ローズマリーはラム肉や豚肉など、クセのある素材にも負けない強さを持ち、臭みを抑えながら香りのアクセントにもなります。
臭みの強い食材には、この2つを組み合わせて使うのも効果的。
さらに、セージやオレガノ、フェンネルなどを少量ずつ加えて、オリジナルの“ミックスハーブ”を作るのもおすすめです。
こうしたブレンドは、ローリエ単体よりも複雑で深みのある香りを生み出し、料理全体の印象を格上げしてくれます。
肉を焼く前にオイルとハーブで漬け込んでマリネする、または煮込む前にハーブをすり込んで香りをなじませるなど、ひと工夫することでワンランク上の仕上がりになります。
キッチンにあるハーブを活用して、日常の下処理に“香りの魔法”を取り入れてみましょう。
使い方Q&A

ハーブを使いこなすには、ちょっとした“知識の差”が大きな違いになります。
たとえば「乾燥と生、どっちがいいの?」とか、「どのくらい入れればいいの?」といった素朴な疑問。
実はこれ、料理の完成度に直結する大事なポイントなんです。
ここでは、よくある疑問をQ&A形式で丁寧に解説します。
さらに、ハーブと相性の良い調味料や、組み合わせによって香りの印象をコントロールするコツもご紹介。
ただハーブを足すだけでなく、“おいしく活かす”ためのヒントが詰まっています。
はじめての方にもわかりやすく、すでに使っている方にも「なるほど!」がある内容です。
乾燥と生ハーブどちらがいい?
乾燥ハーブと生ハーブ、それぞれの特性を理解することで、料理にもっと自由度が生まれます。
乾燥ハーブは、水分を飛ばしてあるぶん香りが凝縮されており、特に煮込み料理や焼き料理などの加熱を伴うレシピに向いています。
長時間加熱しても香りがしっかり残るため、下味や香り付けとして安定した効果を発揮します。
また、軽くて保存が効くため、スパイスラックに常備しておくと非常に便利。
一方、生ハーブはみずみずしく繊細な香りを持ち、加熱に弱いぶん、仕上げやトッピングに最適です。
たとえば、サラダや冷製料理に散らしたり、仕上げにさっと加えることで料理全体の印象が一気に華やかになります。
また、香りだけでなく見た目のアクセントにもなるため、プロの料理人がよく活用する理由の一つでもあります。
どちらも一長一短があり、それぞれ得意な場面が異なるため、レシピや料理の完成イメージに応じて使い分けるのがベストです。
日常的には保存性の高い乾燥ハーブを常備し、特別な日や季節のハーブが手に入るときは生ハーブを使ってみるなど、シーンに応じて使いこなすと料理の幅が一気に広がります。
分量の目安は?
乾燥ハーブは香りが凝縮されているため、少量でもしっかりと風味を加えることができます。
一般的な目安としては、小さじ1/2〜1程度が基準となりますが、料理の分量や食材の種類によって増減させるのが理想的です。
たとえば、スープや煮込み料理のように液体量が多い場合は、香りが分散しやすいため、やや多めに使ってもOKです。
逆に、炒め物や下味づけの場合は控えめにして、香りが強くなりすぎないよう注意しましょう。
生のハーブを使う場合は、3〜5枚の葉、あるいは小さめの枝1本分を目安にします。
香りが繊細な生ハーブは、手でちぎるか刻んでから使うことで香り立ちがよくなります。
また、乾燥と生では香りの広がり方が違うため、同じ種類でも使用量に差があることを意識して調整しましょう。
料理の量や香りの強さを見ながら、自分好みのバランスを探すのもハーブ使いの楽しさのひとつです。
基本的には、最初は少なめに加えて様子を見て、必要に応じて後から足すのが失敗のないコツです。
一度に多く入れすぎると、香りが料理の主役になりすぎてしまうことがあるので、慎重に調整してみてください。
組み合わせると相性◎な調味料は?
ハーブは、オリーブオイル、バター、レモン汁、にんにくなどの定番調味料と非常に相性が良く、それぞれの組み合わせによって香りの表情が大きく変化します。
たとえば、ローズマリーとにんにくを一緒にオリーブオイルで炒めれば、地中海風の芳醇な香りが一気に立ちのぼります。
この組み合わせは、鶏肉やじゃがいもとの相性がよく、シンプルな食材でも一段格上の味に仕上げることができます。
また、バジル×トマト×オリーブオイルの黄金トリオは、イタリアンの定番。
生のバジルを加えるだけで、サラダやパスタがぐっと華やかな印象になります。
ディルとレモン汁の組み合わせは、魚料理やマリネの風味を引き締め、爽やかで清潔感のある味に整えてくれます。
ナツメグとバターの組み合わせもおすすめで、ミートローフやグラタンのベースとして、温かみのある香りをプラスすることができます。
さらに、タイムと白ワイン、またはオレガノとビネガーといった組み合わせも、煮込みやマリネの味に深みを加えてくれます。
料理のジャンルや季節の食材に合わせて、ハーブと調味料の“掛け算”を楽しむことで、毎日の献立がより豊かで個性的になります。
和・洋・中・エスニック、どのスタイルにも応用が効くのが、ハーブと調味料の魅力です。
まとめ&おすすめレシピ集

ここまで読んで、「ローリエがなくてもなんとかなるかも」と思えてきたのではないでしょうか?
最後に、これまでの内容をぎゅっとまとめて、すぐに試せる実践アイディアをご紹介します。
どのハーブが使いやすいか、何に合わせやすいかを「ランキング形式」でおさらい。
さらに、忙しい日にも気軽にできる簡単レシピをピックアップしてみました。
また、香りをもっと深く知りたい人のために関連記事へのリンクも掲載。
学んだことをそのまま活かせる設計にしています。
“代用品”という発想が、新しい味の発見につながる。
そんな体験を、あなたの食卓でぜひ楽しんでください。
ローリエが手元にないときでも、代わりになるハーブは意外とたくさんあるということが分かりました。
香りの系統や料理との相性を見極めれば、ローリエに負けない風味豊かな料理が作れます。
タイムやローズマリーのように“しっかり香る系”から、パセリのような“控えめ初心者向け”まで、選択肢は無限大。
料理は自由で楽しいもの。
その日の気分や食材に合わせて、香りの魔法を使い分けてみてください。
まずは手元にある乾燥ハーブから試してみましょう。
「代用」から生まれる新しい発見が、日々の食卓をもっと豊かにしてくれます。